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父親がいない家庭の明るくたくましい生活「卵の緒」瀬尾まいこ


卵の緒という題名が気になって読んでみました。

この小説は第7回坊っちゃん文学大賞受賞作品です。

坊っちゃん文学大賞はがんばっていきまっしょい のイメージが強く、爽やかな作品なんだろうなぁ、とは思いましたが、卵の緒は「僕は捨て子だ」とはじまる割には、ちっとも暗く無くて、それどころかやっぱりどこか爽やかなお話しでした。


卵の緒 (新潮文庫)
第7回坊っちゃん文学大賞受賞の表題作「卵の緒」
僕は捨て子だ。その証拠に母さんは僕にへその緒を見せてくれない。代わりに卵の殻を見せて、僕を卵で産んだなんて言う。それでも、母さんは誰よりも僕を愛してくれる。「親子」の強く確かな絆を描く表題作。家庭の事情から、二人きりで暮らすことになった異母姉弟。初めて会う二人はぎくしゃくしていたが、やがて心を触れ合わせていく(「7's blood」)。優しい気持ちになれる感動の作品集。

著者の瀬尾まいこさんの描くお母さんはパワフルで子供想いの素敵なお母さんだと思いました。

2作とも「お母さん」がひとつのキーワードになっていると思うのですが、あとがきにて、著者が「父親ががいない」と書いていたので、なるほどそれで作品の家族がこういう設定になったのだな、と感じました。

きっと瀬尾まいこさんのお母さんは本書で描かれているような素敵な人なんだと思います。

個人的には2作目の「7's blood」のほうが面白く読めました。

家族とは何か、目に見えないモノが描かれていたと思います。