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もっと何事にもとらわれずにに生きるヒント!「男性論」(女性論)・ヤマザキマリ


古代ローマから日本にタイムトラベルをするという奇想天外な漫画テルマエロマエで大ヒットしたヤマザキマリさんの男性論 ECCE HOMO (後編に女性論が書かれていますがタイトルは男性論)を読みました。

テルマエロマエに出てきた古代ローマ人の主要人物のヤマザキマリさんによる考察はとても興味を引くもので、へぇー、とその古代ローマオタクぶりに感心させられます。

本書を読んでからテルマエロマエを再読したら、また違った発見があるのではないでしょうか。

ヤマザキマリさんのファンなら楽しく読めること間違いなしでしょう。

男性論は旦那さんのベッピーノから水木しげるスティーブジョブズへとグローバルなだけでなく、世代も幅広く展開されます。

男性論 ECCE HOMO
古代ローマ、あるいはルネサンス。エネルギッシュな時代には、いつも好奇心あふれる熱き男たちがいた!ハドリアヌスプリニウスラファエロスティーブ・ジョブズ、安倍公房まで。古今東西、男たちの魅力を語り尽くす。

先日に発売したプリニウスについても書かれているのですが、それが面白い!


プリニウス (1) (バンチコミックス45プレミアム)
世界史上もっとも著名な博物学者にして、ローマ艦隊の司令長官。古代ローマ一の知識人にして、風呂好きの愛すべき変人。その男の名はプリニウス

本書でも旦那さんの家族について触れられていますが、それにはモーレツ!イタリア家族を読んでみるとより面白く感じると思います。

本書だけだと「なんだ、ノロケかい」という感じもしなくはないですが、幼少のころから大半を海外ですごしてきた割には表現が控えめだと思います。

全体を通して思うのはヤマザキマリさんは「とらわれない人」に惹かれているように思います。

それがわかりやすいのが水木しげるさんの場面で、戦時中、絶対的な存在である上官の命令に従わず、ひとり現地の部族と仲良くなってお互いに助け合い、九死に一生を得たのですが、確かに上官に従わない、という選択肢は当時の日本人では稀なことです。

そのときに何が必要なのかを一般論では無く、その場の状況で判断し行動する、そういった姿勢が日本人にはなかなか見られないですよね。

こういう男性がいて、こういうところが素敵だと思うの、というヤマザキマリさんの語らいは、何にもとらわれずもっと自由に生きていきたいと思いながら周囲に波長を合わしている人の心に響く内容だと思います。


本書では、連載中のスティーブジョブズを描くことになった経緯や、どのようにヤマザキマリさんがその人物像を捉えているのか触れることが出来るのも楽しいです。

スティーブ・ジョブズ(3) (KCデラックス)
アップルIIの成功にも、ジョブズは苛立っていた。いつまでも売れ続けないだろうし、ウォズの傑作として人々に記憶されるだろうとわかっていたからだ。また、恋人クリスアンの妊娠がわかり、ジョブズは認知を拒否する。

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