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いるところには、いるんですけどね「風立ちぬ」宮崎駿


風立ちぬ [DVD]
かつて、日本で戦争があった。

大正から昭和へ、1920年代の日本は、
不景気と貧乏、病気、そして大震災と、
まことに生きるのに辛い時代だった。

そして、日本は戦争へ突入していった。
当時の若者たちは、そんな時代をどう生きたのか?

宮崎駿監督が「月刊モデルグラフィックス」で連載していた漫画をアニメ化。
実在した零戦設計者・堀越二郎と文学者・堀辰雄それぞれの要素を取り入れ、飛行機作りに情熱を傾けた青年技術者・堀越二郎の人生を描く。庵野秀明が主人公の声を担当。

関東大震災と戦争、それらに翻弄されつつも夢を追った主人公・堀越二郎に、東日本大震災と希望や夢を持ちにくい現代の我々は何を見るのか?

キャッチコピーは「生きねば。」

全体がサラリと描かれていて「まことに生きるのに辛い時代だった。」とありますが、そのことで見てて嫌になっちゃうな、と感じる描写は無く、たまにギョッとするシーンがあるくらいです。

例えば、堀越二郎さんはとっても優秀な人材なのですが、秘密警察に目をつけられた際には上司に「会社は全力で君を守る。君が役に立つ人間である間はな」と言われたりして、仕事も命がけでやらなきゃいけないのです。

クビっていうレベルじゃないんですよね。

ふと思ったのは、堀越二郎さんは必要とされているわけです。役に立つ間は。

よっぽど優秀でなければ「君の代わりはいくらでもいる」と言われてしまいますよね。

己の技術を磨かなければ居場所が無い、これは今も同じじゃないでしょうか。

特にアニメーターなどの技術職は腕があってこそ。

朝から晩までアニメ制作に没頭していた宮崎駿さんと堀越二郎さんが重なって見えてきました。

ふたりを動かしているものは「情熱」なのでは無いでしょうか。



堀越二郎さんが昼休みの工場へ訪れる場面があります。

「すみませんね、昼休みに」その言葉に工場長は、関心を持ってくれるほうがうれしい、と歓迎をします。

堀越二郎さんの情熱を歓迎しているんですね。

それを見て、工場長のように迎え入れてくれる人ってどれくらいいるのかなぁ?と思いました。

現代では人の情熱を迷惑がったり「何を熱くなってるの?」「無理だよ」と空回りさせてしまう周囲の環境が見られることがあるように感じます。

ま、いるところには、いるんですけどね、熱い人達が。

そういう人々に巡り合い、自分の居場所を見つけられるといいなぁと思いました。


夢と狂気の王国 [Blu-ray]
スタジオジブリ"の真実の物語。
本作品は『風立ちぬ』(宮崎駿監督)、『かぐや姫の物語』(高畑勲監督)の2作品を同時に制作中だったスタジオジブリに約1年にわたり密着した“映画"として2013年11月に全国公開されました


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