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村上春樹を理解できない人はコレから読むといい


わたしが村上春樹さんの作品で初めて読んでみたのは「ノルウェイの森」です。

でも当時は全くその魅力がわからず、ある場面だけがやたら印象に残ったことだけ覚えています。

それから年月が経ち、映画化されました。

映画ノルウェイの森がとても良かったので、また読み直したところすっかり村上春樹さんが好きになったのでした。

でも、エッセイを除く他の作品はやっぱり理解できなかったり、途中で挫折してしまうのです。

後に村上春樹さんがノルウェイの森はあまり自分好みの作品では無い、というようなことをどこかでおっしゃっていて、なるほどなどうりでな、と思ったのでした。

そんなときはじめての文学シリーズ「はじめての文学 村上春樹」があることを知りました。

この本の魅力は何と言っても「村上春樹さんが自選していること」

あとがきに村上春樹さんがこれらの作品を選ぶにあたってのあれこれや、作品を書いた背景が書いてあるのも興味深いです。


はじめての文学 村上春樹
小説の面白さ、楽しさを味わうために、著者自身が用意したスペシャル・アンソロジー。
はじめてのひとも、春樹ファンも欠かせない一冊。「シドニーのグリーン・ストリート」「かえるくん、東京を救う」など全17編を収録。

このはじめての文学シリーズは年少者向けの作品集なのですが、私には村上春樹さんの作品を読むにはちょうどいいくらいの内容です。

また、作品の細部にあちこち手を入れたそうで、オリジナルをご存知の方は「あれ?違うぞ」と思われると思いますから、村上春樹さんのファンにも一読をおすすめです。

実際に読んでみて、、、やはり、あれはどうだったのか、これはどうだったか、と考えさせられるところがあり私には難しいなぁとは思うのですが、とても印象に残る場面がいくつかあり、それらを意味もわからず面白いと思えました。

美味しいラーメンと同じで、このスープの中には何が入っているのだろう?と思いつつ、美味しい、美味しいと飲みほしてしまい、またしばらくして、あのラーメンが食べたいな、と思える中毒性が村上春樹さんにはあるのだと思います。

「かえるくん、東京を救う」は神の子どもたちはみな踊るに収録されている作品のひとつで、もっとも人気のある作品らしいのですが、「1Q84」に通じるような気がしました。

とにかく読みやすい作品集なので村上春樹を理解できない人はコレから読むといいと思います。