知らなかったのですが、村上春樹さんは意外とワイルド。
あえてバックパッカーな旅行をしたり、無人島へ行ってみたり、私だったら絶対にしないだろうな、と思う旅行記です。
ただのワイルドな旅がずらずら書かれていたら読まないと思うのだけれど、村上春樹さんの視点が興味深く、その国の知識を踏まえての考察や行動も面白く、大変読みごたえがありました。
写真を撮った観光客が殺されたことのある村で、同行したカメラマンとは他人ですよ、という素振りをする村上春樹さんを想像すると笑えてくるし(笑いごとでは無いのだけれど文章が面白いのです)、メキシコを旅行することについて改めて長々と書かれていると、確かにそうかもしれないなぁ、と思うのです。
辺境・近境 (新潮文庫)
久しぶりにリュックを肩にかけた。「うん、これだよ、この感じなんだ」めざすはモンゴル草原、北米横断、砂埃舞うメキシコの町…。NY郊外の超豪華コッテージに圧倒され、無人の島・からす島では虫の大群の大襲撃!旅の最後は震災に見舞われた故郷・神戸。ご存じ、写真のエイゾー君と、讃岐のディープなうどん紀行には、安西水丸画伯も飛び入り、ムラカミの旅は続きます。
四国の讃岐うどんの旅行にことも書いてあって、実際に行った店名も挙がっています。
これらを参考に旅行に行けば村上春樹さんも食べたんだなぁ、とファンの方は楽しめると思います。
それに、村上春樹さんが描いたものと思われるイラストが掲載されていて、それもまた楽しい!
小懸家のイラストは空想で描かれていて村上春樹ワールドを絵で楽しむことができます。