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マンガでは読めないちょっとHな益田ミリ「五年前の忘れ物」


益田ミリさんと言えば最近映画化もされたすーちゃんシリーズの漫画が有名です。

五年前の忘れ物」は著者はじめての小説集。

帯には「マンガでは読めないちょっとHな益田ミリ」とあります。

レトロな印象の装丁が目を引きます。

読み始めてなるほど、これはいつもの漫画では表現できないよなぁ、という描写があり、益田ミリさんの中にもこういう世界があることを新鮮に感じました。


五年前の忘れ物
少し若くなくなってからの方が、女の人生は面白い。
マンガでは読めない、ちょっとHな益田ミリ
30代の女性を描く、新鮮な短篇集。

文章になっても、益田ミリさんらしい視点が面白く、女性が持ち合わせているどこか俯瞰的な冷静さが見事に表現されていました。

題名にもなっている、いちばん最初に掲載されている小説「五年前の忘れ物」で、主人公が元上司に「女の人の中に入っているとき、温度わかりますか?」と質問します。

この質問がもう益田ミリさんらしい。

また、読み進めるうちにいつもの馴染みある益田ミリさんに出会えます。

Hな話がどんどん薄まっていきます。

後半にある「堤防の夕焼け」「角砂糖の家」は、漫画でも表現できそうな内容で、読んだ後も、本当にこんな夫婦がどこかにいて、どこかで今も暮らしているような気がしました。


そしてうれしいサプライズ!(ネタバレになります)

。。。。

最後に漫画が掲載されているのです。

小説の世界から漫画へ。

その試みが面白く、漫画になるとこうなるんだー、とも思えました。

でも、ちょっとしんみりしてしまう内容だったので、個人的には最後は「ニヤリ」という感じで終わって欲しかったなと思いました。


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シリーズ4作で50万部突破!
益田ミリの人気四コマ漫画「すーちゃん」シリーズを柴咲コウ真木よう子寺島しのぶのアンサンブルで映画化!

すーちゃん(柴咲コウ)、まいちゃん(真木よう子)、さわ子さん(寺島しのぶ)は、かつてのバイト仲間。
それから十数年、今でも友情は続いている。料理好きでカフェ勤務歴十数年のすーちゃんの、最近の関心事はもっぱら職場の中田マネージャー(井浦新)。
OA機器メーカー勤務のまいちゃんは、現在不毛な恋愛中。そして、WEBデザイナーとして働くさわ子さんは、母と二人で祖母の介護の日々。
仕事、年齢、貯金、結婚、妊娠、介護・・・・それぞれの道を歩いてきた彼女たちの悩みはつきない。
ふと、立ち止り、よぎる不安--《あたしが選んできたことは、ぜんぶ間違っていたの?》
それでも彼女たちは“ちょこっと"の幸せを見つけて、今を生きていく--。

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