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生まれてから死ぬまでに、私たちはいったいどのくらいのものを人からもらうんだろう。Presents 角田光代 松尾たいこ


広末涼子さん、玉山鉄二さんキャストで映画化もした短編小説集「Presents」を読んでみました。

映画化したのは「合い鍵」という話。

”編集プロダクションで多忙な毎日を送る由加里(広末涼子)は、クリスマスを目前に後輩の美加(有村実樹)から、彼氏へのクリスマス・プレゼントを尋ねられる。彼であるフリーカメラマン・博明(玉山鉄二)とはお互い忙しくなかなか会えないでいた。そして、改めて20歳の頃から8年の付き合いであることに、ため息をする由加里…。そんな折、久々に博明に会うことになり、嬉しさを隠せない由加里を待っていたのは、突然の別れだった。「俺…好きな人ができたんだ―─俺らはいつも別の方向を向いてて、歩き出そうって思う時、必ず違う方向に一歩を踏み出すんだよ」。涙し、落ち込んだ由香里は、翌日会社を休み、思い切って髪を切ることに。そして店内で落とした<合い鍵>に、博明と過ごした温かいクリスマスの思い出が蘇る。由加里は彼からの最後のプレゼントに気づく。それは――。”

残念ながらDVDにはなってないようです。ちょっと見たい。


Presents (双葉文庫)
生まれてから死ぬまでに、私たちはいったいどのくらいのものを人からもらうんだろう。
私たちはたくさんの愛を贈られて生きている。この世に生まれて初めてもらう「名前」。放課後の「初キス」。女友達からの「ウェディングヴェール」。子供が描いた「家族の絵」―。人生で巡りあうかけがえのないプレゼントシーンを、小説と絵で鮮やかに切りとった12編。贈られた記憶がせつなくよみがえり、大切な人とのつながりが胸に染みわたる。

この本がいろんな世代のいろんな生活を送っている、たくさんの人たちのプレゼントになればと思って、ブックカバーを包装紙のようにしてみました。

それぞれプレゼントを受け取りながら成長してゆき、老いていく様が描かれています。

登場人物があくせくする様子やさまざまな場面が見事に描かれていて、ストーリーよりも巧みな文章力に引き込まれました。

「ヴェール」にて、親戚が部屋に入ってきて去っていくまでの様子の描写、最後に部屋をぐるりと眺めまわすところなんかは、そうそう、そういうことある、とうなずきました。

ちょっとしたリアルな描写が本当にある世界のように感じられるのです。

レビューでは心温まったという感想が目立ちましたが、私はちょっと違う感想を頂きました。

心がモヤッとしました。

プレゼントというのは貰い手によって価値が決まる物なのだと思います。


対岸の彼女 (文春文庫)
第132回 直木賞受賞
本当に、心から信用できる女友達が必要なのは、社会に出て、重たい荷物を背負い、現実を直に突きつけられている今なのに


八日目の蝉 通常版 [DVD]
直木賞作家・角田光代のベストセラー小説、衝撃の映画化!

不倫相手の子供を誘拐し4年間育てた女と、
誘拐犯に育てられた女。
なぜ、誘拐したのか?
なぜ、私だったのか?