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37歳、女性のリアルを描く「すーちゃんの恋」


あのすーちゃんが!「すーちゃんの恋」で”恋”をしています!

読んでない人には「?」かと思いますが、こちらのすーちゃんシリーズは最近、柴咲コウさん、真木よう子さん、寺島しのぶさんで映画化され「すーちゃん まいちゃん さわ子さん」という題名で2013年3月2日に公開する話題の作品でもあります。多くの女性が共感せずにはいられない作品ですが、映画では配役がイケてる女子すぎて違和感があります。予告を見たら、本の中の登場人物がみんなひとまわりあか抜けているキャラになっているようです。ちょっと残念。

主人公のすーちゃんは、多分、一生男性と結婚していなくてもやっていけるタイプ。いい人がいれば結婚したいとも思っている反面、合コンに参加する程でもなく、日々の暮らしに不安を覚えながらも、目先の仕事に真剣に取り組み、素朴な人生にも苦悩や喜びが詰まっていて、ものすごくリアルな現代にいる女子のひとりだと思います。今まであまり描かれなかったような人物が主人公というところが興味深いのです。

そんなすーちゃんが恋をします。


すーちゃんの恋
カフェを辞めたすーちゃんが転職した先は保育園。調理師として働き始めて5カ月が過ぎようとしている。ベテランに囲まれて、子供たちと過ごす尊い時間。いつの間にか37歳になって、あと3年で40歳になるけれど、子供の頃に想像していたのとちょっと違う。いや、かーなーり違う。37歳といえば、結婚して子供を産んで、「お母さん」として生きていると思っていたのに、結婚どころか、彼氏もいないし。そんなすーちゃんにある日訪れる「久々のときめき」。カフェで働いていたときに少し気になっていたお客さん「土田さん」(書店員)と偶然再会したのである。


このすーちゃんシリーズ、前号の「どうしても嫌いな人―すーちゃんの決心」から妙齢にあたり、すーちゃんの人生が賛否両論にわかれはじめました。
そんな中で迎えたすーちゃんの恋
オレの宇宙はまだまだ遠いで描かれている土田さんが登場し、すーちゃんはときめきます。

しかし、男女が出会うタイミングって、スムーズにいくばかりでもなく、土田さんの行動を不快に思う方もいらっしゃるだろうし、すーちゃんの態度に驚く人もいるかもしれません。でも、そうやって登場人物がとった行動に対して何かを感じるのが、すーちゃんシリーズを読む醍醐味でもあると思います。

また、

「子供の頃と描いていた37歳と違う」
「アラフォーってかっこよく言われたところで、介護保険の支払いはじまってるってゆーか」

など、同世代の女性なら思いあたることがひとつはありそうな言葉がばんばん出てきますし、どこかモヤモヤした気持ちを抱える登場人物の気持もわかります。

次号につづくので、読みごたえはいつもより物足りないように感じましたが、やっぱり今回もすーちゃんは、すーちゃんの人生をがんばって生きているな、とうれしくなりました。


オレの宇宙はまだまだ遠い
主人公は、書店員歴10年、32歳、いつの間にか彼女いない歴6年の土田新二。
こんなはずじゃなかった、でもなくこんなもんだろう、でもないオレの人生。書店員・土田くんの人生にあったかな未来はあるか。