林真理子・原作×東村アキコ・漫画『ハイパーミディ中島ハルコ』

 

 林真理子さんの小説『最高のオバハン 中島ハルコの恋愛相談室』を、

最高のオバハン 中島ハルコの恋愛相談室 (文春文庫)

最高のオバハン 中島ハルコの恋愛相談室 (文春文庫)

 

  

 東村アキコさんが漫画化した『ハイパーミディ中島ハルコ』1~3巻を読みました。

ハイパーミディ中島ハルコ 1 (マーガレットコミックス)

ハイパーミディ中島ハルコ 1 (マーガレットコミックス)

 

 林真理子さんと対談した際に、

「漫画化にしたら面白いと思うのよ」

と渡された小説を東村アキコさんが気に入ってすぐに漫画化が決定したのだとか

(エピソードがあとがき漫画に描かれています)

 

 

『ハイパーミディ中島ハルコ』あらすじ

 

フードライターの菊池いづみ(38歳・独身)は、中島ハルコ(52歳)バツ2の独身に出会い、人生が変わっていく。

 

『ハイパーミディ中島ハルコ』感想レビュー

 

中島ハルコは所謂、バブル期を知ってる女。

強気でガンガンやってきたからこそ、52歳で会社も経営している。

しかも、お嬢様気質。

故に、癖が強い。

五十代なら、中島ハルコは容易に想像できるけど、三十代以下は「なにこのおばさん!?」かもしれない。

いづみも「基本的には怖いおばさんじゃん!!」と言っている。

感覚や価値観が違い過ぎる。

もしも、三十代が上司の考えていることがわからないなーって思うなら、中島ハルコを見て見るといい。

こりゃー、通じ合えないわ、ってわかる。

バブル世代を代表するような中島ハルコには、とりあえず「合いの手の返事」「持ち上げる」が得策なのだ。

 

でも、中島ハルコは出会ったばかりのいづみに、ズバッとアドバイスをくれる、なかなかいい人だ。

辛辣なアドバイスではあるけれど、とても親身で的を得ている。

他人に本当にためになるアドバイスをしてくれる人はなかなかいない。

中島ハルコを憎めないのは、言葉の中に真実を感じるからかもしれない。

会社を経営している起業家の中島ハルコの言葉は説得力がある。

「大変だねー」「悪く無いよー」そんな慰めの友情をくれる友人を大事にするより、中島ハルコのような辛辣なアドバイスを聞き、自分の人生をよりよくしようとあがくほうが自分のためになると思わずにはいられない。

「そしたら男も寄ってくるし、人生も変わるわよ」

中島ハルコの言葉をいづみが信じてみようという気になるのもわかる。

原作があるだけあって設定に深みがあって面白いですし、バブリーな食事場面も林真理子さんが経験してるからこそリアルで、お金持ちの世界を垣間見てるような気持ちになります。

 

中島ハルコの出身地が興味深い。

ケチな様子を見ると、大阪のように感じるが名古屋だと言う。

名古屋人は無駄なお金は使わず、ここぞという時にはパーッと使う。

なるほど。

他にも細かい名古屋ネタが散りばめられていて興味深い。

 

 

そんな名古屋気質が、中島ハルコのどギツイ性格に影響しているのが面白い。

「私だって今日おいしものがいっぱい出てきてたらもっと優しいこと言ったかも」

お客様にきちんとおもてなしをする。

出すところはきちんとお金を出す。

そういうことをしない人には優しくなれない、と言うのだ。

そんなことで!?と思うけど、改めて考えてみるとそんなものなのかもしれない。

例えば、ちょっと手土産を持参してきた営業に、受付の女性が優しくなるのはそういうことなのではないだろうか。