天才にも天才の悩みがあるんだな。バレエの奇才・ドキュメンタリー映画『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』(感想レビュー)

バレエ・ドキュメンタリー映画『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』(感想レビュー)

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参考画像:映画『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』公式サイト

 

ウクライナ出身のバレエダンサー、セルゲイ・ポルーニン。 

19歳で英ロイヤル・バレエ団の史上最年少プリンシパルとなるも、身体に刺青をいれるは、人気のピークで電撃退団するなど破天荒で知られるバレエダンサー。

近年では映画『レッド・スパロー』にも出演していました。

Youtubeにアップされたセルゲイ・ポルーニンが「Take Me to Church」の曲に合わせてバレエを踊る動画(2015年)は、当時はかなり話題になって、再生回数も爆上がりしました。

彼はバレエを引退しようと決意して踊ったんです。

 

ドキュメンタリー映画ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』 は、この動画が公開されるに至るまでが描かれます。

セルゲイ・ポルーニンを幼少時代から追っていくのですが、そこには家族ドラマがありました。

映画の感想

まるで風に吹かれる葉っぱのようにクルクルと空中を舞い、

猫の着地のように正確にピタッと舞台に降り立つバレエがすごい。

当初はわき役で出演していたセルゲイが、舞台で目立って目立って、半ば仕方なく英ロイヤル・バレエ団の史上最年少プリンシパルに就任させたのも頷けます。

そんな才能溢れるセルゲイですが、彼がバレエで成功したのは家族の協力があったからこそ。

 

セルゲイ・ポルーニン の才能を信じた家族は彼のために出稼ぎをして費用を賄いました。

セルゲイは家族の期待に応えるべく、自分がバレエで成功すれば家族がひとつになれると信じていました。

その真っ直ぐな努力が美しく、いやはや自分がセルゲイと同じ年頃のとき、家族のことを考えたり、こんなに努力をしていただろうか。。。眩しい!

 

けれどもセルゲイのイギリス留学ですべてが変わってしまいます。

天才はやっぱり変わってるなぁ、と感じることがあるけれど、このドキュメンタリー映画で幼少期から順を追ってセルゲイの成長を見て行くと、バレエの技術は天才だけど、心は普通の男の子だとわかります。

身体は立派に大人だけど、心はどこか中2のままのよう。

誰もがうらやむ英ロイヤル・バレエ団のプリンシパルとなったにもかかわらず、数年で退団してしまうエピソードは、そこだけ抜粋すると「とんでもない」ことのように思えるけど、退団に至るまで経緯はあって、天才にも天才の悩みがあるものなんだとわかります。

冒頭で、軍で開発されたとか言うスーパードリンクを飲み、身体の痛みを感じなくするための錠剤を飲む姿は、優雅に見える世界とは裏腹に、世界のトップに立つというのがどれほど過酷なことかが伺えます。

ドキュメンタリー映画ですが、フランス映画を見てるような静かなドラマを感じました。