江戸時代・仙台藩の吉岡宿を描いた映画「 殿、利息でござる!」を見ました。
あらすじは、仙台藩に1000両(現在で1~3億)を貸付けて、利子で吉岡の宿場を運営しようと試みる実話に基づく映画。
「武士の家計簿」で知られる歴史学者・磯田道史氏の「無私の日本人」が原作。
磯田氏は、この話は『庶民の忠臣蔵』だ 、と言っています。
利子と聞いてお金儲けの話かと思ったら、宿場を潰さないために奮闘する人々のお話でした。
1000両を用意した人々の懐に利子は一切入りません。
利子は吉岡宿場に使う目的でお金を貸すのです。
ええ話や。
ひとりでは無理でも力を合わせればなんとかなるかも!と希望の持てるお話しでした。
日本史が得意でない私でも吉岡宿の状況の説明が丁寧でわかりやすく興味が湧きました。
ただただ人々が奮闘する話で、アクションなどありませんが、見てて飽きることなく最後まで面白かったです。
特に宿場の代表・千坂が仙台藩の代官・橋本までお願いにあがる場面。
「当時、遠かった」というナレーションと共に、千坂が一張羅の袴姿で道なき道を徒歩で向かいます。
昔は些細なことがとても大変で、それだけにコントのようでクスリッと笑ってしまいます。
学校で見せてはどうかと思います!楽しく学べる映画だと思います。
穀田屋十三郎 (阿部サダヲ )
宿場をどうにか救いたい!という熱い思いが空回りしている様子に、真剣でありながらどこかコミカルな演技が深刻にさせすぎず絶妙です。
菅原屋篤平治 (瑛太 )
賢いだけに無理そうなことはしない性格。
内心と表向きの態度の様子にクスリッと笑えます。
「みなの手本にならねば」と妻の言葉をそのまま引用し、他人から「さすが!」と感心されたり、決して菅原屋も志がはなから高い人間では無いところに親しみを感じます。
十三郎に巻き込まれていく姿が軽快です。
仙台藩第7代藩主・伊達 重村(フィギュアスケート選手・羽生結弦)
お殿様である、仙台藩の第7代藩主・伊達 重村(だて しげむら)役に仙台出身のフィギュアスケート選手・羽生結弦氏が出演しています。
舞台に立ってる人は華があるし立ち姿もキレイですね。
そんな羽生氏の放つ雰囲気や、あどけない演技が世間知らずなお殿様っぽくてよかったです。
先代・浅野屋甚内 ( 山崎努)
山崎努氏はちょろっと出てるだけなのに、あの存在感は何なんでしょう!?
この浅野屋の子供が阿部サダヲと妻夫木聡になるわけですが似てない(笑)!
遠藤寿内・両替屋 (西村雅彦)
1000両に協力した内のひとり。
スンナリお金を出さず「そういう気持ちもわかる!」と同情できます。
美談すぎない演出にリアリティを感じられて人間ドラマらしく、この映画の印象を左右する重要な人物だと思います。
コミカルな演技が素晴らしく笑わずにはいられません。
一筋縄ではいかぬのが見てわかる!存在感たっぷり。
ハマり役だと思います。
なつ・菅原屋篤平治の妻 (山本 舞香)
歳の離れた若妻。若いながらもしっかりしていて感心します。
とき・煮売り屋「しま屋」の女将(竹内結子)
「なくもんか」で 阿部サダヲの相手役をつとめたことがあり、ふたりの雰囲気がよかったです。
浅野屋甚内 (妻夫木聡)
いろんなものを背負ってきたはずなんですが感じられなかったのが残念。
もっと感動させられたと思います。