コンビニ人間を読んでみました。
実はこの作品、芥川賞受賞する前から気になっていたのです。
芥川賞作家・朝井リョウ氏の「真夜中のにゃーご」での書評を聞いて読みたいなーと思っていたのです。
まだそのときは単行本が出版されていなくて、図書館で文學界の貸し出しに予約を入れてました。
その順番がやっとまわってきたのです。
村田 沙耶香 氏は作家で生計が立てられているにもかかわわらず、コンビニで働いています。
理由は「アイディアが沸く」のと、コンビニで働くのが楽しいからのようでした。
それだけに、主人公がコンビニで働いている様子が活き活きと描かれています。
お客さんの仕草で、現金から電子マネーで支払いを変えるのかな、、、とレジの指を休めたり、
素直に
へー!
ほぉー!
と感じましたし、主人公がコンビニで一生懸命働いている様子が「コンビニ店員の鏡」というべき姿で、これだけプロフェッショナルに働いていることに感心しました。
ちょっと思い出したのは、新幹線ガールの徳渕 真利子さん
この方、新幹線の中を行ったり来たりして販売するワゴンのプロだったんですよね
2005年にアルバイトとしてはじめたんですけど、正社員になったんです
でもコンビニ人間の主人公・古倉恵子はずっとバイトなんですよね、、、この状況は主人公の性格にもよるところが大きいとは思いますが、2016年の現代ではリアルだなと感じました
今ってニュースを聞いていると、強盗に入られたコンビニでアルバイトの男性(40歳)が追い払った、なんてよく聞きますから
普通の人と異なる考えをもともと持っている古倉恵子は「治る」とか「治らない」とか、そういう質のモノでは無くて、それで生きていかなければなりません
それで古倉恵子は世界に溶け込もうと努力をするんです
そして「コンビニで働くことで普通を演じられる」ことを発見した!
古倉恵子は社会で自立できる手段も手に入れられて、本当にラッキーなことだったと思います
しかし、年齢が増すごとに「独身」で「アルバイト」ということがやがて異質になっていき、それに対処していこうとする淡々とした様子が彼女の普通の人とは異なる部分が浮き彫りになっていったし、周囲の様子もガラリと変わっていく様子が加速していき、面白くもあり悲しくもありました。
マイノリティが自分の居場所を見つけるのは容易ではないけれど、探せば潜むところが見つかると希望の持てる話だと思いました。