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みうらじゅん「ない仕事」のつくりかた、を読めば仕事は作れるのか?【感想】

みうらじゅん氏は一体何者なのか?

みうらじゅん氏は、「サブカルの祖」だと、雑誌の記事に書いてあるのが目についたことがありました。

多分、内容はみうらじゅん氏がやってることって面白いよね〜、とか誰かがしゃべってるような記事が当時はいっぱいあったように思います。

へー、みうらじゅん氏ねぇ。

するとある日

雑誌のイラストに「みうらじゅん」の名前が書いてあるが目に入りました。

え?同一人物なの?

「サブカルの祖」はイラストレーターらしい。

当時の私の認識はそんなもの。


そして、しばらくして「マイブーム」という言葉を作ったのがみうらじゅん氏だ、と聞き、一気にみうらじゅん氏の関心度が高まりました。

え!あのおじさんが!?という驚きでいっぱいでした。


「テレビや雑誌で、そのサングラス&長髪姿を見かけるけれど、何が本業なのかわからない」「どうやって食っているんだろう?」

すごく不思議な人です。

ただのちょっと変わったおじさんでは無いらしいことは薄々わかってきました。


その後も「ゆるキャラ」という言葉を生み出したり、誰が買うんだろうというお土産を「いやげもの」と呼びコレクションしたり、ゴム蛇を見かけなくなったと言って絶滅危惧種としてコレクションしたり、活動してらっしゃる。

それが仕事になるってどういうこと!?

そんなみうらじゅん氏の仕事のやり方を披露しているのが、「ない仕事」の作り方なのです。


「ない仕事」の作り方
デビューして今年で35年、「仏像ブーム」を牽引してきた第一人者であり、「マイブーム」や「ゆるキャラ」の名付け親としても知られるみうらじゅん
本書では、それまで世の中に「なかった仕事」を、企画、営業、接待も全部自分でやる「一人電通」という手法で作ってきた「みうらじゅんの仕事術」を、アイデアの閃き方から印象に残るネーミングのコツ、世の中に広める方法まで、過去の作品を例にあげながら丁寧に解説していきます。
「好きなことを仕事にしたい」、「会社という組織の中にいながらも、新しい何かを作り出したい」と願っている人たちに贈る、これまでに「ない」ビジネス書(?)です。

みうらじゅん「ない仕事」のつくりかたの読後感想

面白く書かれているのだけれど、みうらじゅん氏の根本は真面目だと感じました。

突き詰めればビジネス書や自己啓発の本で見かけるような内容なのだけれど、やってること(仕事内容)が小学生の延長線上にあるようなことなので、すんなりと理解しやすいと思います。

周囲に同意を得られなくても、自分の熱量を信じて突き進んでいく。

新しいことほど周囲から反対されるものだと、どっかのビジネス書でも書いてあったと思います。


それには勇気がいるし、自分をも奮い立たせなければならないし。

言葉では理解していても、じゃあ実際どうしたらいいのか?

というところを

「飽きないフリをする」

「自分洗脳」

など、ものすごくわかりやすく紹介していますし、その方法が馬鹿馬鹿しく感じるくらい面白いです。

読みやすかったのであっという間に読んでしまいました。

なるほどこうしてみうらじゅん氏の「ない仕事」は作られているんだ!


みうらじゅん氏は、再発見が上手なんだと思います。

違和感のあるモノを感じとり、これってもしかして面白いんじゃないか!?と持ち帰って、それに名前を付けることで新しいジャンルかの如く見せるんですね。

みうらじゅん氏は発表する雑誌などの媒体を持っていますので発信力が素人とは違いますが、現在はブログやツイッターなどSNSを通して拡散することができますので誰でも「発信者」にはなれます。

そう考えると、ブロガーやユーチューバーなどにこの本は大いに参考になると思いますし、何か一般的にモノを広く知らしめるような商品企画や、企業PRなどのお仕事をされている方にも良いと思います。



近年の、人生がときめく片づけの魔法で有名な近藤 麻理恵さんの仕事も、もともとは「ない仕事」だったと思います。

彼女の仕事は「自宅の整理整頓の方法を指導する」ことです。

2015年にはアメリカ「TIME」誌の「最も影響力のある100人」のうちのひとりに選ばれています。


先日紹介した松浦弥太郎氏も自ら仕事を生み出してました。

なかむらるみさんはおじさんが好きすぎて、おじさん図鑑というイラスト本を出版したり。

タモリさんも坂道が好きでタモリのTOKYO坂道美学入門を出版したり、テレビで論じたり。

マツコの知らない世界に出演されている方々はいい例ですね。

そうやって「ない仕事」をつくっている人は考えてみれば案外いるもんだと思います。

そしてどれも本人たちが好きなことや興味があることから派生しているお仕事です。

「何かに興味を抱く人」ほど「ない仕事」は生み出しやすいと感じます。

みうらじゅん氏は意図的にそれらの仕事を仕掛けることができるプロなのです。


みうらじゅん氏は、自分の仕事を引き継いでくれるような後継者を求めているのだろうか?

本を読んでそう思いました。