70歳をすぎた親が元気なうちに読んでおく本を読んでみました。
この手の本はいくつか読んでいますが、これは著者の経験をもとに漫画で描かれているので興味がありました。
しかも、漫画で紹介しきれない事項については補足分が掲載されていて、内容も手厚い印象です。
漫画を読んでから補足分を読むことで、内容を深く理解することができるように感じます。
いちばん興味深かったのは「成年後見人」のことでした。
これまでも「成年後見人」という制度があります、と本に書かれてはいたものの、具体的に紹介されていることが少なく、便利なのかそうでないのかイマイチわかりませんでした。
しかし、今回読んでみて、メリットとデメリットが理解できたように思います。
また、遠方に暮らしてる著者は父親の認知症に気がつきにくい、というのはよくあることですが、母親が父親の認知症を隠していたことは勉強になりました。
そうか、子供に話さないこともあるのか。
よくよく考えてみると、最近のニュースで夫が妻の介護をしていたけれど、悲観して妻を殺し、自分も自殺を図った、という事件がありました。
こちらの夫婦に子供がいたかどうかわかりませんが、もしも子供が父親が介護に限界を感じていることに気がついていたなら事件は起きなかったかもしれないと思うのです。
日頃から、介護する側に状況を聞いたり、実際に見に行ったり、お手伝いしたり、積極的に関わりを持たないとサインを見逃してしまうと感じました。
この本だけですべてがまかないきれるとは思いませんが、実用的なとりあえずやっといて損は無いことや、知っておいて得することがわかりやすく描かれていると思います。
漫画で読みやすいので、自分が読んでみて良かったら姉弟にもすすめやすいのも良いと思います。
◆関連リンク
・親が70歳を過ぎたら読む本・村田裕之