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戦場のカメラマン・ドンマッカラン Netflix


報道写真家として知られるドンマッカランに迫るドキュメンタリー「戦場のカメラマン・ドンマッカラン」をNetflixで見ました。

30年間にわたり世界中で紛争を撮り続けた男はファインダー越しに何を見てきたのか。

上の写真はドンマッカランが1964年 「Cyprus Conflict (キプロス紛争)」で撮影し、世界報道写真コンテストで対象を受賞したものです。

今のようにデジタルカメラでは無いので、シャッターを押す回数は今のカメラマンに比べて極端に少ないはずです。

彼は「その瞬間」がきたらシャッターを押すと言いました。

その瞬間を感じること、それは「感性」なのだと思います。

彼は武装した男達の中に犬がいて、どうしてその犬に惹かれたのか、わからないけれどそれが感性だというようなことを話していました。

これほど「感性」をわかりやすく説明できる人はなかなかいないと感じました。


ドン・マッカラン (ポケットフォト)
20世紀を代表する偉大な戦場カメラマンの一人であるドン・マッカラン
彼の透徹した視線が捉えた人間の戦争とそれに伴う深い悲しみの記録は、見る者の心に深い印象を残す。代表作約60点のほか、解説文や年譜、展覧会の情報や参考文献といった資料的な情報をハンディサイズに収めたポケットフォトシリーズの第二期タイトル。写真の美しさをダイレクトに味わえるシンプルな造本でコレクションにも最適。

ジョンマッカランは撮影対象に誠意があります。

時に、戦争の悲惨さを伝える為に衝撃的で目を覆いたくなるような、まるでパパラッチがゴシップネタを撮ったような写真を撮ってしまう人もいますが、マッカランの写真は違います。

ベトナム戦争で1枚だけ手を加えた写真のエピソードで、マッカランの想いがわかるような気がしました。


現在では規制があって、当時のような戦争の現状を伝える自由が無いと聞きました。

それに戦争も随分と変化しているので、当時のように撮影することは無理でしょう。

ツイッターで「戦争ナウ」と、写真をアップするのが現在の報道写真の在り方に近いのかもしれません。実際にそんなことは行われないでしょうけれど。

でも、そんな戦争の悲惨さを伝えなくても、結局のところ犠牲者はその周囲にいるおカネも食べ物も無くて、行き場の無い者たちなのです。

実際に戦争を見てきたマッカランのドキュメンタリーは、大変興味深いものでした。