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停電の夜に・ジュンパ ラヒリ


確かエルジャポンだったと思うのだけれど、そこにジュンパ ラヒリ の新刊「低地 (Shinchosha CREST BOOKS)」と過去の著作が紹介されていた。

ふと目が留まって、読んでみようという気になった。

ところが新刊は、内容を見ると私にはハードそう。

まずはピュリツァー賞など著名な文学賞を総なめにした停電の夜にから読んでみることにした。

低地 (Shinchosha CREST BOOKS)
若くして命を落とした弟。身重の妻と結ばれた兄。過激な革命運動のさなか、両親と身重の妻の眼前、カルカッタの低湿地で射殺された弟。遺された若い妻をアメリカに連れ帰った学究肌の兄。仲睦まじかった兄弟は二十代半ばで生死を分かち、喪失を抱えた男女は、アメリカで新しい家族として歩みだす――。着想から16年、両大陸を舞台に繰り広げられる波乱の家族史。

映画のワンシーンのような描写に、どんなことが起きるのだろうと思っていると、バッサリと切る鋭いオチで「あっ」と思った瞬間には、その関係性がぷっつりと切れてしまっていることに気がつく。

後味の悪い話だと感じるのだけど、切り口があざやかなせいか、むしろ清々しい。


停電の夜に (新潮文庫)
毎夜1時間の停電の夜に、ロウソクの灯りのもとで隠し事を打ち明けあう若夫婦──「停電の夜に」。観光で訪れたインドで、なぜか夫への内緒事をタクシー運転手に打ち明ける妻──「病気の通訳」。夫婦、家族など親しい関係の中に存在する亀裂を、みずみずしい感性と端麗な文章で表す9編。ピュリツァー賞など著名な文学賞を総なめにした、インド系新人作家の鮮烈なデビュー短編集。