朝井リョウさんの小説を読みたくて、さまざまな作家が参加しているこの部屋で君とを読みました。
朝井リョウさんの作品はいちばん最初に掲載されていて「それでは二人組を作ってください」というもの。
女子の気持ちが描かれているんですが、あー、モヤモヤする。すっきりしない。
文章も面白いし、「テラスハウス」を視聴している一般人を題材にしたような設定も面白いけれど、すっきりしない内容が私の性格には合わない模様。
この部屋で君と (新潮文庫)
誰かと一緒に暮らすのはきっとすごく楽しくて、すごく面倒だ。「いつかあの人と同じ家に住めたらいいのに」「いずれこの二人暮らしは終わってしまうんだろうか」それぞれに想いを抱えた腐れ縁の恋人たち、趣味の似た女の子同士、傷心の青年と少女、出張先の先輩と後輩、住みついた妖怪と僕…気鋭の作家8名がさまざまなシチュエーションを詰め込んだひとつ屋根の下アンソロジー。
三上延さんの作品が個人的には良かったです。
三上延さんは、ビブリア古書堂の事件手帖で有名ですね。
「月の沙漠を」という題名で、時代設定が大正十二年頃となっています。
主人公が「くやしい」と言う場面があるのですが、やり場のない怒りや悲しみがとても切ないです。
そして、その時代ならではの男女の距離感に、純文学と呼ぶのにふさわしい美しさがありました。
度々、ひとつのお題にさまざまな作家が参加している小説を読むのですが、普段は読まない方の作品を読んでみようという気になるところが好きです。
この部屋で君とは1970〜1980年生まれの作家が書かれていますので、若々しい才能が溢れる内容となっていると思います。