スポンサーリンク

「サラバ!下巻」西加奈子を読みました


著者の西加奈子さんは、お笑い芸人の又吉直樹さんと仲が良いです。

そのことを知っているせいもあってか、出てくるお笑い芸人の描写で又吉直樹さんなのではないか、と思える部分が少しありました。

西加奈子さんが先日、ご自身で仰ったように、いろいろなものの影響を受けて、その影響を受けていることを全く隠そうともせず書いている、というのは本のみならず人からの影響も含まれているのだなぁ、と感じました。

西加奈子さんが感じたことの全てがサラバで描かれており、それがパワーとなって読者をひきつける何かがあると感じます。


サラバ! 下
父の出家。母の再婚。サトラコヲモンサマ解体後、世間の耳目を集めてしまった姉の問題行動。大人になった歩にも、異変は起こり続けた。甘え、嫉妬、狡猾さと自己愛の檻に囚われていた彼は、心のなかで叫んだ。お前は、いったい、誰なんだ。

歩に容姿の変化が出てきて、それが彼の一部の自信を奪った件では、端から見るとそこまでの大事件では無いように思うのだけれど、自分に置き換えるとやはりそれは大事件だろうし、人生において予想しない突然のショックな出来事は意外と身体的なことかもしれないと思いました。

室内でも脱げないキャップ。

歩の様子を見ると、老いって悲しいものだな、と感じます。

誰でも人生において、大なり小なり、壁にぶち当たる時期があると思います。

いろんな悪いことが重なって、嫌になる時期。

それでも、いつかそんな時期は過ぎてゆくと信じて生きてゆくのだろうと思います。


火花
笑いとは何か、人間とは何かを描ききったデビュー小説

売れない芸人徳永は、師として仰ぐべき先輩神谷に出会った。そのお笑い哲学に心酔しつつ別の道を歩む徳永。二人の運命は。