アナザー修学旅行は2009年講談社児童文学新人賞受賞作品で、ティーン向けの児童小説になるのですが「修学旅行に行けなかった人達のもうひとつの修学旅行の話」とあって読んでみました。
そうか、何かしらの理由で修学旅行に参加できない人がいるのだなぁ。
題名の「アナザー修学旅行」に大層惹かれたのでした。
あ、見つけたきっかけは先日読んだ本「小野寺の弟・小野寺の姉」と同じイラストレーターさん&装幀家さんだったからです。
アナザー修学旅行
たとえば風邪とかで何日か学校を休んで一人でいると、家族以外の、他人と接しないと、心に同じ形の波しか立たなくなる気がする。水槽の中で金魚が自分で作る波と、海や川の波は違うみたいに。秋吉にとって、教室は海だろう。第50回講談社児童文学新人賞受賞のデビュー作。
バラバラのクラスだった生徒がこの修学旅行の期間だけ、ひとつのクラスで一緒に過ごすことになります。
そのやり取りが瑞々しく描かれ、友達と言うまでには親しくなっていない、この微妙な感じが面白く、そして、妙に熱い部分があるかと思えば冷めていたり、ティーン世代の移り気でありながら、あれこれ考えているサマに青春を感じます。
私がこの話の中で好きだったのは「秋吉」という男の子の存在です。
秋吉君は、とある事情で保健室に登校している生徒で、彼の存在は忘れかけてたモノを思い出させました。
大した出来事は無いのですが、それでも貴重な時間を彼らが過ごしたことを感じられる作品でした。
水曜どうでしょうDVD第22弾『中米・コスタリカで幻の鳥を激写する!/前枠・後枠 傑作選
2015年1月14日(水)発売
◆関連リンク
・「小野寺の弟、小野寺の姉」西田征史(読書感想)
・映画「桐島、部活やめるってよ」とうとう見てしまいました【感想&評価】
・素敵な七年間「なぎさホテル」伊集院静
・家族ってなんだろう?友達ってなんだろう?「銀のスプーン」小沢真理
・東京いつもの喫茶店、散歩の途中にホットケーキ・泉麻人
・幸運な偶然を必然にするには? 映画「おくり人」小山薫堂が語る
・その「努力」に感動! ぼくには数字が風景に見える