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「出好きネコ好き、私好き」林真理子(感想)


大胆なデザインが目を引く林真理子のエッセイ「出好き、ネコ好き、私好き」を読んでみました。

40代向けの女性ファッション雑誌「STORY」に連載されていたものとあって、ananに連載されているエッセイよりも内容は落ち着いたものとなっているけれど、ファッションや美容といった取り上げるトピックスはいつもどうり。

後半になってくると被災地や少子化などに目が向いていて、読者層がますます絞られている。

また彼女がダイエットに成功している時期があり、食欲やダイエットに失敗した自虐的なエピソードが少ない為、真理子節の足りなさを寂しく思うところはある。


林真理子は美人でもスリムでも無く、女性が憧れるような容姿は持ち合わせていないのだけれど、それでもずうううううううっと彼女はお金をかけて美容に気を使い、そして少しでも細く素敵に見えるようにブランド品のファッションに身を包む、その繰り返しに励まされる女性が多いのではないかな、と思う。

モトが大したことないのだから、どれだけ手間をかけても変わらない、と冷たい言葉をかける人っているじゃないですか。

でも、女性なら努力をしたいわけですよ。あがきたい心もあるわけですよ。

林真理子だってこんなにお金をかけてがんばっているのだから、私だってお金をかけてもいいわよね、と口実めいた勇気を彼女から得ている女性は多いと思う。

しかもバブルを生きた人だから、使うお金も豪快だし、考え方もバブルなので、40代後半以上の方が同調できる内容だと思う。

私はただただ笑って読んでるだけだけど。


出好き、ネコ好き、私好き
40代女性よ!「後ろめたいこと」をしなさい。
元祖「アラフォー」ウォッチャー林真理子による『STORY』好評連載4年半の「美の格闘録」!
衰えを何とかしているうちに、「中年の美しさ」はぐいっと出てくる

しかし、よくもまあ林真理子は同じようなことをしている。

お決まり芸のようなところがある。

それを私は飽きもせずに読んでいるのだけれど、林真理子の巧みな文章力が飽きさせないのだろうし、お決まり芸というのは落語のような安心感がある。


ところでタイトルの「出好き、ネコ好き、私好き」の、ネコは内容に出てこないし、よくよく考えれば、林真理子はマリーちゃんという名の犬を飼っていて、犬好きではないか!


「中年」突入! ときめき90s (文春文庫)
名物エッセイ、30年分からよりすぐり!