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村上春樹、9年ぶりの短編小説「女のいない男たち」(感想)


村上春樹、9年ぶりの短編小説「女のいない男たち」を読みました。

私は村上春樹の作品を全部は読んでないのですが、ノルウェイの森1Q84など過去に執筆した長編小説を彷彿とさせる世界観を楽しむことができました。

短編小説とあって、深すぎずちょうどいい浅瀬で泳いでるようにスイスイと読めるものもあれば、じっくり時間をかけないと読めないものもありました。

短いながらも読みごたえがあり、読み終わった後に独特の余韻が残ります。


女のいない男たち
絡み合い、響き合う6編の物語。
村上春樹、9年ぶりの短編小説世界。

ノルウェイの森に通じるお話は「イエスタデイ」です。

私が印象深かったのは「シェエラザード」です。

笑う話ではないんですけど、「なにこれ」って思って、思わず笑いがこみ上げたお話です。

例えて言うなら池上遼一の漫画のように、冷静に考えると「そんなバカな!?」と思うようなことがシリアスに描かれている感じがしました。

この短編小説集の興味深いところは、村上春樹氏本人が「自分の小説にまえがきやあとがきをつけるのがあまりすきではなく」と伝えたうえで、まえがきを書いているところです。

どうして短編を書こうと思ったのか、本書のモチーフについて、など村上春樹氏のファンならわくわくして読むことができると思うし、小説を書きたいと思っている人のヒントにもなるかもしれません。

本書を読み終えて、ふたたび「まえがき」に戻り、村上春樹氏が執筆した順番を確認してみると、なるほどなぁ、と勝手に解釈をしてみたして楽しめます。

すぐにもう一度読み返したくなる短編集でした。

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