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親が70歳を過ぎたら読む本・村田裕之(感想レビュー)


前回は間違えてしまったけど、今回は読みたかった親が70歳を過ぎたら読む本を読みました。

この本は、高齢な親がまだ元気なうちに読む本です。

私を含めた40代、50代の現役世代の人は、
仕事で忙しいうえ、一般に高齢の親に関わる諸問題についての
知識や理解が乏しいのが現状です。
そして、自分の親に何かがあって、
初めてその対処に着手する人がほとんどと言っても
過言ではありません。

かく言う私もそうでした。

83歳の母が昨年の春に脳梗塞で倒れて入院しました。

それまで私は、仕事上、高齢者の認知症改善・予防の
普及活動に関わっていながら、
自分の親は幸い元気だったためか、
親の介護のことは、どこか他人事のように思っていました。

しかし、実際に自分の肉親が当事者になったことで、
初めて私自身も当事者となり、
老親に関わることが他人事ではなくなりました。

子供から成人への成長期には、小学校から大学まで
必要な基礎知識や学力を身につけるための教育の場が
整備されています。

ところが、成人から中高年への成熟期には、
自分の生活防衛のための知識や、
よりよい後半生を過ごすための対処法を身につけるための
教育の場は、残念ながらほとんどありません。

したがって、こうした知識や対処法は
独力で学ぶ以外に方法がありません。

一方、こうしたことを学ぼうと思って書店に行くと、
「相続」「介護」「老人ホーム」「成年後見制度」といった
個別テーマによる専門書は数多く存在します。

ところが、「高齢の親とその家族が遭遇しうる諸問題」
といった視点で、これらの個別テーマの勘所を
横串にした書物は、なかなか見つかりません。

現役世代が生活防衛のために、
よりよい人生を送るためにどんなアクションが必要なのか、
その理由は何かを包括的に整理した書物が
意外に少ないことに私は気がつきました。

本書が同じ悩みをもつ方の少しでもお役に立てれば、
著者として望外の喜びです。

この手の本は「こうなったらこういう方法がある」と示してくれるものの、その手続きはどうしたらいいのか、どう行動したらいいのかそこまで書いてくれているものは少ないですが、親が70歳を過ぎたら読む本は、こうなったらこうするといいんですよ、と具体的にちゃんと書いてあって初心者に心強い本だと感じました。

一歩踏み込んだところまで説明があるので、詳細を知りたい人におすすめです。

認知症になったら、どんな施設に預けることになるのか

どんなトラブルが起きるのか、

そのときどうしたらいいのか。

最後に「筋力の衰えを予防する」「脳を活性化する」など高齢な両親が元気でいられるように、予防アドバイスが書かれていました。

あ、そういう発想の本ははじめて読んだかも。

確かに両親が元気なうちに読むからこそできることですね。

これを読んだ人は「両親が介護のお世話にならないように今から気をつけなきゃ」と行動したくなるはず。

また、親が亡くなったあとの遺産についても書かれています。

そしてこれもどうして遺産トラブルが起きるのか、日ごろのちょっとしたことで回避できるヒントも書かれていて、参考になる方も多いと思います。