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能漫画「花よりも花の如く」成田美名子


昔から成田美名子さんの漫画を読んでいて、「花よりも花の如く」は能を通じて成長してゆく主人公が描かれています。

能は全くと言っていいほど知りませんでしたが、漫画を読んでみるとなるほど面白い、と気がつきます。

舞う人や、つける面によって話の解釈がガラリと変わるのも興味深いです。

毎回、違う演目を主人公は演じるわけですが、それに対して主人公があれこれ考える様に読んでいるこちらも考えさせられます。

花よりも花の如く 13 (花とゆめコミックス)
葉月に告白したものの、明確な返事がもらえないまま、次第に距離を感じてしまう憲人。そんな折、新しく出演が決まったドラマの取材と、泰一先生の家系の出身地を巡る旅のお供を兼ねて、明石を訪れることになる。先生のルーツなら、自分にとってもルーツ。色々なことにズレを感じている時だからこそ、自分の基本を確認してリセットできたら…と望む憲人が、明石で見つけるものとは? 憲人の葉月への心模様を描いた「一三五度」を中心に、葉月の過去に触れた「この三つのもの」も収録。
2014年9月刊。

最初の頃は、少年っぽさが残り、どちらかというと冴えない男の子でしたが、ドラマ出演をしたあたりからかっこよくなっていくのは成田美名子さんの作品で見られる特徴だと思います。

確かに経験を積んだ人というのは、雰囲気があったり、何かしら惹かれるものが感じられます。


花よりも花の如く 12 (花とゆめCOMICS)

花よりも花の如く12巻の最後に、主人公が演じた上演記録が掲載されていて鑑賞にお役立て下さい、とあります。

「羽衣」「天鼓」「経正」「一角仙人」「烏帽子折」「橋弁慶」「胡蝶」「土蜘蛛」

「羽衣」は昔話で聞いたことがあります。

天女が水浴びをしていたところ、羽衣盗んでお嫁さんにしちゃう「天女のはごろも」ですね。

能のほうは、羽衣を返すかわりに舞を所望して、天人は羽衣をまとい舞いながら天上へ帰っていくようですよ。

Wikipediaによると、近江型、丹後型の二種類の話があり、丹後型では「天女が酒造りをする」という仰天エピソード!

近江型のほうが私は聞きなれていて、天に帰れなくなった天女は男と結婚し子供を残すが、のちに羽衣を見つけて天上へ帰っていきます。

このお話を聞いて、天女が天上へ帰っていくとろこを見ると、その男のことが本当に嫌いだったんだろうなぁと思うわけです。

天女が可哀想な気がします。。。