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最近、あんこに目覚めてきた。「何度でも食べたい。あんこの本」・姜 尚美

最近、あんこに目覚めてきた。

あんこが美味しい。

京都の出町柳「ふたば」の豆餅がいちばん美味しいけれど、デパートに行けば地下であんこの美味しい和菓子もあるし、最近はコンビニなんかで手に入るあんこも昔より随分美味しくなったものもある(すべてとは言わない)ように思う。

つまり、美味しいあんこを気軽に手に入れることができるようになり、あんこに目覚めたというよりは、洋菓子より和菓子を食べる機会が増えただけのことであるが、糸井重里氏が自称・あん国大統領と名乗り、BRUTUS (ブルータス) であんこ特集をした際に登場したことが頭の片隅にあって、あんこに興味が沸いてきた。

そこで思い出したのが「あんこの本 何度でも食べたい」という本。

そうだ、そうだ!読んでみようじゃないか、と思い今回読んでみたわけです。


あんこの本 何度でも食べたい
定番にこそ、奥深い世界が潜んでいます。

いわゆる西洋菓子のスイーツやパンケーキ、もしくは和菓子全般を取り上げた本はありましたが、和菓子の定番中の定番である“あんこ”だけで一冊を語りきった本はなかなかありませんでした。
大阪の出版社らしく京都、大阪、奈良の名店・名品はもちろん、東京その他の県まで38軒のあんこ自慢を紹介しています。職人たちの思いやお店の歴史までも一緒に味わう、何重にもおいしいあんこガイド。

著者の姜尚美(かんさんみ)さんは関西では知らない人はいないであろう京阪神エルマガジン社のエルマガやミールの編集部を経てフリーになられたライターさん。

これだけで内容は期待できる!特にMeets(ミーツ)はマニアックで読んで楽しい雑誌です。

あんこの本 何度でも食べたいではあんこ菓子がたくさんでてきますが、店主のインタビューも掲載されており、その言葉にあんこの奥深さを垣間見ることができます。

また姜尚美さんが今回のインタビューを通して、あんこを知っていく姿勢もいいなぁ、と思います。

うんちくを語る本って窮屈で読みにくいですからね。これはそんなところは無いです。

食べたことのあるあんこ、食べたことのないあんこ、京都から東京、四国、福井、秋田、岩手、宮城、、、と多岐に渡ってあんこ菓子が紹介されているのも楽しいです。

オールカラーで写真の掲載が大きいのもいいですね。

個人的にぐっときたのは、盛岡市民のソウルあんこ。福田パンのあんバターです。

注文して目の前で塗ってくれるという贅沢でありながら庶民的なパンは、昭和という時代にしか生まれないであろう代物です。

姜尚美さんも数ページにわたってお店を紹介しているところを見ると、大変お気に召したことが伺えます。

商品だけでなく、そのお店や店主の魅力が伝わってくるるのがこの本の素晴らしいところだと思います。

あんこに目覚めたらぜひ読んで欲しい本です。


あんこ読本 あんこなしでは生きられない
本書はあんこの歴史、基本知識、東西27の名店のあんこ職人の心意気、自分でつくるおいしいあんこのつくり方までを徹底網羅した、あんこ好きも唸るあんこのすべてを知る一冊です。


京都の中華
淡泊で、油っこくない、だしを利かせた京都好みの味付け。花街の習慣「ごはんたべ」にもたえる、店のしつらいと気働き。街の歴史や風習に合わせて、地殻変動のように変化してきた「京都でしか成り立たない味」。この味を「おいしさ」とする味覚は、いったいどこからやってきたのか?