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「あなたがもう一度、会いたい人は誰ですか?」ツナグ・辻村深月


シックスセンスで、母親がずっと気にしていたことを、息子が「死んだおばあちゃん」から聞いたメッセージを伝えるシーンが最後にあるのだけど、あれはいいな、と思ったことがある。

でも、本来なら生きているうちに解決出来たらどれだけよかっただろう。

現実で叶わぬことをが叶う物語が人々の胸を打つのは、だれもが心に「後悔」を抱えているからかもしれない。

ツナグは「一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという」話で映画化もされ2012年10月に公開されるほどヒットした小説です。


ツナグ (新潮文庫)

一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員……ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅は、何をもたらすのだろうか。心の隅々に染み入る感動の連作長編小説。
第32回(2011年) 吉川英治文学新人賞受賞

昔は死者と会うことを期待することは、それはそれは恐ろしいこととして描かれていたと思う。

ゾンビのような姿で家のドアをノックしてくるとか、、、古事記
などの影響もあるのでしょうが、死者の蘇りを期待してはいけない、というような教訓があったように思う。

ところが現代では「生きていたときの姿のまま」現世に少しの間だけあらわれてくれる話が多い。

少しの間だけなら良い、というルールは現代の人が望むカタチなのだろうか。

「あなたがもう一度、会いたい人は誰ですか?」

死んだら会えると思えば、今会う必要は無い気もする。


ツナグ(本編1枚+特典ディスクDVD1枚)
今日、恋をはじめます』の松坂桃李主演による感動作。たった一度だけ死者との再会を叶えてくれる仲介人“ツナグ”として、他人の人生に深く関わっていくひとりの少年の葛藤と成長を描く。共演は樹木希林佐藤隆太ほか。