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幕末明治から大正にかけて、激動期を生きたソロバン侍「武士の家計簿」堺雅人; 仲間由紀恵; 松坂慶子; 中村雅俊; 草笛光子; 西村雅彦; 森田芳光

お城勤めのソロバン侍は、所謂、今でいう経理部署のようなところなのだと思います。

そしてその懐事情を知る故、予算が足りないときは知恵も絞ります。

その知恵で出世を成し遂げた中村雅俊さんがいい!!

何度も同じこと言うありがちな父親像、そしてどこか品があって優しそうなキャラクターは私がこの映画の中でいちばん好きな登場人物です。

あの絶妙な面白いニュアンスがだせるのは中村雅俊さんしかいないでしょ!?と思うほど、はまり役です。

ぜひ見て欲しい!

堺雅人さん演じる猪山直之は、ちょっと堅苦しい人物ですが生真面目で、それ故「武士の家計簿」を後世に残すことができたのだと思います。

当時の生活がどのようであったか垣間見れる貴重な資料になったと共に、倹約について見習うところもあるように思います。

魚の「たら」の件では、上手に料理する妻の内助の功が活き、夫もその妻の仕事ぶりを褒め、その知恵を仕事で活かす、家族で一緒に倹約に望む大切さがそこに感じ取ることができました。


武士の家計簿(初回限定生産2枚組) [DVD] [DVD] (2011) 堺雅人; 仲間由紀恵; 松坂慶子; 中村雅俊; 草笛光子; 西村雅彦; 森田芳光

前半場面はなかなか楽しい映画なのですが、後半になってきますと、老いが悲しいテーマのように感じられ寂しい感じがしました。

子が立派に育ち、ソロバン侍としての精神が受け継がれたことにもっとスポットが当たってもよかったかと思いますが、全体的には素晴らしい映画だと思いました。

堺雅人さんが出演されているので、娯楽としてみるとちょっと肩透かしをくらってしまいますので、そこだけご注意を。

年末年始に激動の時代を生きた日本人の映画を見るのはどうでしょう。おすすめです。


武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)
東京・神田の古書店で、加賀藩士がつけた「家計簿」が発見された。饅頭ひとつ買っても記録した詳細なものである。天保13年(1842)から明治12年(1879)年まで37年分が残されており、金沢城下の武士の暮らしぶりが手にとるようにわかる。
家計簿をつけたのは加賀藩御算用者(おさんようもの)・猪山直之。藩の経理係であり、将軍家から前田家輿入れした姫様のそろばん役を務めていた。仕事が経理であったため、自分の家でも緻密に家計簿をつけていたらしい。彼は、年収の2倍をこえる借金を抱え、年18%の高利に苦しんでいた。妻の実家に援助してもらい、お小遣いも現在の貨幣価値で5840円におさえられていた。しかし、天保13年に一念発起して家中の家財道具を売り払い、債権者と交渉して借金の整理に成功。「二度と借金地獄に落ちるまい」と、それ以後、家計簿をつけはじめた。
その後、猪山家は家運が急上昇。江戸時代の武士社会では、猪山家のようなソロバン役人は低く見られていたが、維新の動乱期になると、会計技術者は兵站係として重宝された。直之の子、猪山成之は明治政府の軍事指揮官・大村益次郎にヘッド・ハンティングされて兵部省入りし、のちに海軍主計となって東京に単身赴任する。その年収は現代の3600万円にもなった。一方、金沢に残された成之の従兄弟たちは政府に出仕できず、年収は150万円。明治士族の厳しい現実である。
本書では、なるべく、猪山家の人々の「声」を掲載することにした。幕末明治から大正にかけて、激動期を生きた家族の肖像写真をそのまま見て頂きたいと思ったからである。
あなたは猪山家の物語に何を想われるであろうか。