著者の佐々木圭一さんはコピーライターです。
そう聞くと、伝え方が上手なのはあたりまえ、と思いますが本書の「はじめに」を読むと、もともとは文章が下手で技術を見つけてからめきめき上手になったとあります。
つまり伝え方は誰でも上達させることが出来るけれど、この本はきれいな日本語を学ぶためのものでは無いとはっきり言っているのも、なるほど、と思います。
私はこの本をサイバーエージェントの藤田社長がブログで紹介していて知りました。
どうやら第2四半期の決算説明会に向けて読まれたようです。
上場企業の社長14年目なので説明会は慣れっこのようですが、努力はするんだなぁと改めて感じました。
伝え方が9割
容紹介なぜ伝え方で結果が変わるのでしょう?
たとえば、好きな人がいるとします。
でもその人は、あなたのことに少しも興味がないとき、
何と言ってデートに誘いますか?「デートしてください」
こう言ってみました。あなたのピュアな気持ちそのままですね。
これだと断られる確率が高いですよね。
ですが、コトバ次第で結果を変えることかができます。「驚くほど旨いパスタの店が
あるのだけど、行かない?」こう言ってみました。相手は行っていいかも、と思う確率がぐんと上がるコトバです。
どちらにしても、実は「デートしませんか?」という同じ内容なのです。さまざまな伝え方の技術が盛りだくさんです。
本の前半は、本当に伝え方は上達するのか、法則があるのか、という説明がされていました。
これは読み手が「その気」にならなければ、方法だけを伝授しても、「こんなことで上達するはずがない」と思われてしまう可能性があるからでしょう。
それくらい、この方法は簡単だと思います。
しかし、これらの方法にしたがって言葉がスラスラ出てくるようになるには努力が必要だと思います。
常に「驚くほど旨いパスタの店があるのだけど、行かない?」という言葉を産みだすには慣れが必要です。
ストレートなお願いは自分の欲求を相手にぶつけているだけ、ということがよくわかりました。
相手にどんなメリットがあるのか、それを提示したお願いをする言葉のほうが相手がすんなり受け入れてくれるのです。
その詳しい例は本書のP64〜で知ることができます。
この方法は両者がハッピーになっていいな、と思いました。
小手先だけの自分だけの要求を満たす方法では無いからです。
接客業をされている方で、この方法を上手に使われてる方は、お客さんを増やすと思いますね。
少なくとも、私ならまたこのお店に来よう、と思うと思います。
読み進めていくと、中にはうーん?と頭をひねるようなものも無くはありませんでしたが、それでも、知らないより知っていたほうがタメにはなったかなと思います。
後半の実際の広告例を挙げたものの説明は、新卒の方の就職活動にも役立つと思います。
つまり「目に留まる資料のヒント」があるのです。
実は最初のページの、切り取って持ち歩こう、というオマケ的なものにすべてが集約されているのですが、これらの説明が本書でなされているという感じです。
コピーライティングをされている方や、少しかじったことのある方なら、既に知っていることも多いでしょうが、一般にはこのような言葉について考える機会はほぼ無く、感覚的なものだと捉えられていると思います。
本書は理解しやすいうえに、効果の期待できるコミュニケーション論だと思います。
起業家
ベストセラー『渋谷ではたらく社長の告白』から8年。
ネットバブル崩壊、業界の低迷、再びのネットバブル。
絶頂の中、発生したライブドア事件、親友・堀江氏の逮捕、株価暴落、そして社長の退任を賭けて挑んだ未知の領域――。