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グルメじゃないごはんのこと。「ごはんぐるり」 カイロ&大阪育ち西加奈子

イラン生まれ、エジプト、大阪育ちの作家としても知られる西加奈子さんの食べ物エッセイ集「ごはんぐるり」を読みました。
幼い頃はお父さんの仕事の都合でエジプト暮らしだった西加奈子さんのエピソードは興味深く、そして、本人がなるだけ格好良くならないように、を意識して書いているだけあって、恥部を垣間見るドキドキ感もあって、読んでいてとても楽しいです。


ごはんぐるり
「初デートでは何を食べるのが正解?」から始まる男と女の食をめぐる正解シリーズ、幼い頃のカイロでの食生活、大阪のDNAがうずく食べ物たち、世界のめずらし料理実習記……“何でも美味しい、幸せな食オンチ"の作家が綴る、弾ける食エッセイ&書き下ろし短編食小説「奴」。

また書下ろしの小説「奴」が掲載されてました。これは読むまで知らなかった!

読んでみたら、そういう感覚を小さい頃に持ち合わせてたな、と思い出したのだけれど、読みながら、扁桃炎のことは西加奈子さんの経験に基づくものと思われ、この入院経験も、もしや貴女のお話では?と思うほど、ありそうなお話で、最後は「なんやねん」でした。

まぁ小説のことは置いておいて、西加奈子さんの好きな料理本は「檀流クッキング (中公文庫BIBLIO)」なのだと言う。

理由は本書に述べられているので割愛するとして、「ほうほう、どんな本なんだ?」とAmazonで検索してみると、「カテゴリ 直木賞受賞(1-25回)作家の本」でベストセラー1位となっているではありませんか!

料理本でこんなすごいものがあったのか、、、、!しかも1975年の本を改定したもの、、、。今度読んでみなければ!


檀流クッキング (中公文庫BIBLIO)
「この地上で、私は買い出しほど、好きな仕事はない」という著者は、文壇随一の名コック。日本はおろか、世界中の市場を買いあさり、材料を生かした豪快な料理九十二種を紹介する“美味求真”の快著。

こんな感じで髄所に「ほほう!」と思うところがあり、また、西加奈子さんの感性に「なるほど!」と思ったり、文脈から感じ取れる底抜けに明るい雰囲気に付き合ってぐったりと疲れてみたり、読み応えのあるエッセイでした。

わかりやすく言えばヤマザキマリさんの小説家ヴァージョンというところか。

以前にもこの話、続けてもいいですか。 というエッセイ本があり、それはその以前に出版したミッキーかしましミッキーたくましをテーマ別にまとめたものなのだけれど、この頃からとても面白かったのです。

西加奈子さんは食べることは好きだし、美味しいものも好きなのだろうけれど、でも、グルメと呼ぶにはちょっと違う。

こういう人のことをなんと呼べばいいのだろう、とふと思いました。


この話、続けてもいいですか。 (ちくま文庫)
『ミッキーかしまし』『ミッキーたくまし』をテーマ別に整理しなおし1冊にまとめた、著者唯一のエッセイ集。世界とのかかわり方、楽しみ方、その存在の強度が圧巻。小説の根っこが顔を覗かせる。