東野 圭吾さんはたくさんの著書がありますが(友達が言うには「何から読んでいいかわからない」)、まだ読んだことが無かったので、ナミヤ雑貨店の奇蹟を読んでみました。
あらすじを読むとファンタジー?SF?
奇蹟というくらいだから、ハッピーになれるような話なのだろうと思いましたし、雑貨店が奇蹟を起こすところに興味を持ちました。
ナミヤ雑貨店の奇蹟
あらゆる悩み相談に乗る不思議な雑貨店。そこに集う、人生最大の岐路に立った人たち。過去と現在を超えて温かな手紙交換がはじまる……張り巡らされた伏線が奇跡のように繋がり合う、心ふるわす物語。
東野 圭吾
本が思ったより分厚く、読めるか!?と不安になりましたが、案外サクサク読めました。
ナミヤ雑貨店の主人のひととの向き合い方は嫌いじゃないな、って思いました。
ふざけた相談にも、真摯に受け止めて回答していく姿に心をうたれます。
生協の白石さんがそんな感じでした。モデルにしてるかもしれませんね。
生協の白石さん
東京の西、多摩地区にある東京農工大学。この学校の生協で働く職員、白石さんが今各メディアの注目を集めています。『一言カード』という質問、要望コーナーで行われる楽しいコミュニケーション。どんな問いでも一生懸命に答えてくれる白石さんの姿は共感を呼び、白石さんはとんでもない人気者になってしまいました。この白石さんと学生たちのやりとりの記録が満を持して本になります。本には厳選された「一言カード」と、白石さん自身による解説が収録。
ナミヤ雑貨店で起きる奇蹟のそれぞれの話が巧みにつながって感心しました。
東野 圭吾さんは主にミステリーを書かれているだけあって、謎めいたところが非常に魅力的です。
しかし、想像したようなほのぼのとしたものは無く、むしろモヤッとした気持ちになった話もあり、話がつながることで世界がギュッと狭くなったように感じました。
奇蹟って広く万人に起きるものというイメージがあったので、いろんな話が読めるのかなぁとこちらが勝手に思っていたのです。
ナミヤ雑貨店で起きた奇蹟は、相談者を幸せに導いたのかは疑問ですが、自分の心のままに従えば悩みなんて人に相談するまでも無いのではないかと思いました。
従うことに支障がある場合、葛藤が生じて「悩み」になるのではないか。
だから、心の奥底では「答え」がわかっている。
「自分はこうしたい」という気持ちがあるから。
ナミヤ雑貨店の店主が、その気持ちをくみ取ったうえで回答をするところが興味深かったです。
悩みが特に思いつかなくても、なにかしら返事がかえってくるナミヤ雑貨店みたいなところがあれば、投函してみたいような気もします。
どんな回答なのかなぁ、とワクワクします。
あっ、YAHOO知恵袋とかそういう感じなところありますよね。
見ず知らずな人が親身になって相談にのったりしてくれるって、よく考えるとすごいことだと思います。
身近にナミヤ雑貨店はあるのかもしれませんね。